スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ちょうどよい輪〜関西横断後半戦〜

関西から帰ってきた。
大阪・第七藝術劇場、京都みなみ会館、神戸アートビレッジセンターでの関西横断公開を終えた。
あれから数日経った。

自宅の布団で目が覚めると、ここはもうあそこではないのだ、と少し寂しくなる。

9/23〜10/20
途中一日だけ東京に帰って来たがほぼ一ヶ月大阪で暮らした日々。


大阪、十三。
築50年のアパート。
初めての一人暮らし。
十三部屋01

十三部屋02


朝、目覚めると自然に今日配る分のチラシを少し多めにカバンに入れる。
一日が動き出す。

漫画喫茶で素早くシャワーを浴び、劇場に入る。
ここが拠点、第七藝術劇場。
七藝


いつもの席に座る。
くそガキの公式ツイッターでリツイートしたり、フォロー増やしたり、増やしすぎたら減らしたり。
自分のツイッターで今日の告知をしたり。

徐々に劇場スタッフが集い始める。
今日どうしますか?と心配そうに劇場スタッフが話かけてくる。
いつもその日の予定をきちんと立てない自分に発破をかけてくる。
一ヶ月も一緒にいると、自分のダメさが徐々に赤裸々になっていく。
その日まかせのスケジュールではなく、きちんとスケジュールをたてないとと戒める。

そんな頼りない自分に厳しい視線を送ってくる劇場スタッフのネエさん。
忘れ物ばかりする自分に、移動する度に忘れものないかチェックして下さい、と注意も忘れない。
一応自分は監督だ。劇場スタッフも監督をガキのようには扱えない。
そんななかでもネエさんは、しっかりしてください、と言ってくれる。
呆れた顔をしながら、ギリギリ怒らない程度に。
それくらいの感じがとてもちょうどよい。
そんなネエさんも商売人だ。
お客さんが思うように入らないときは、なんで来ないの〜と悩む。
いや、商売ということもあるが、いつの間にか僕たちは、共に悩み、共に喜ぶチームになっていた。
外食だけだとダメよとお弁当をつくってくれたり、美味しいラーメン屋を紹介してくれたり。
最後にはうちの母親にお土産まで買ってくれた。
その優しさはちょうどよいを超えていたけど、ほんとにうれしかった。

第七藝術劇場はそんな人たちの集まりだった。

帽子をかぶったちょっとお洒落な青年スタッフは、これ大丈夫すか、大丈夫すか、といつも過度な心配をしてくれた。
おれみたいなもんは過度に心配されるくらいがちょうどよい。
ネエさんに頼むのがちょっと怖いとき、彼に頼むとうまくいく。
ちょっとした意見もまずは彼に言ってみる。
彼には、俺監督なんだゼという顔もできつつ、ちょっとダメな自分、みたいなものもわかってもらえる。
同性だから女性ほど他人行儀になる必要もない。
彼も、とても、ちょうどよいかんじなのだ。
チラシ配りや懇親会も気がつけば彼が隣にいたことが多かった。
最終日近く。自分の靴がボロボロになったのを観て、彼がスニーカーをくれた。
他人が履きつぶした中古のスニーカー、抵抗がないわけではない。
彼の靴なら喜んで履けた。ちょうどよかった。

第七藝術劇場には他にもいろんな人がいた。
妹のようなお嬢ちゃん。
絵がうまく、宣伝グッズの絵も描いてくれた。
おれがチラシ配りどこにいくか迷っていると、ここに行きましょう!と祭りに連れてってくれた。
どこよりもチラシの捌けがよく好感触だった。
チラシを配るときも、力強く声をあげる。
負けてらんないとおもった。
ダメな兄貴をひっぱる元気な妹っぷりが、ちょうどよかった。

いつもはあまり口を開かない、わりと無口な美形の青年もいた。
美形をみるといつもそうおもってしまうが、最初は蔑まれているかとおもったがそうではなかった。
必要最低限の会話でいい関係、これもまた、ちょうどよい。
もっと話せばもっとちょうどよい感じになれる雰囲気もちょうどよかった。

背が高い好青年のにいちゃんは、いつもちょうどよく明るく接してくれるし、さらにガタイのいいにいちゃんも、あまり話さなかったけど、ちょうどいい感じのときにいて、なんかちょうどよくエネルギーをもらっていたようにおもう。
たまに見かけた年配の映写の方とは特にこれといった会話はしなかったけど、それもまた今となってはちょうどよかったとおもう。

そしてそんな従業員達をかかえている、支配人。
新聞社等のメディアの取材もいれてくれた。
新聞
いろんな大阪名物を御馳走してもらった。
一ヶ月滞在するアパートも用意してくれた。
ちょうどよいなんか余裕で飛び越えてはいるが、なんというか、良い意味でノリが若く、厳しいところは厳しく、映画が大好きで、映画が大好きな人が大好きで、おこがましいが、ちょうどよいといえば、とってもちょうどよい支配人だった。
そもそも、支配人は、ゆうばり映画祭が終わってから間もなく、面識もない自分に「大阪の劇場は決まっていますか?」とメールで声をかけてくれた。
あとにも先にも『くそガキの告白』を劇場側から、気になってます、と声をかけていただいたのは、第七藝術劇場の支配人さん以外いないのです。
なんともまあ、光栄なことだ。
その後も今回の京阪神の関西横断公開を仕切ってくれ、ミニシアター事情や映画監督の武勇伝話まで、いろいろ、いろいろ教えてもらった。
とっても粋な映画を愛する大先輩だった。


そんな仲間たちと共に闘った一ヶ月。
後半戦、お客さんが徐々に増え出した。
前半の模様は→こちらで。

お客さんが増え、我がことのように喜ぶスタッフたち。
当たり前だ、これはみんな、我がことだったのだ。
そのために、みんなでどうすればお客さんが来てくれるか話し合った。
(おれ、ほとんど有効な案が出せずに皆の案に乗っただけだったけど、精一杯乗りまくった)
その輪がとても嬉しく、その輪の中心にいれて幸せだった。


劇場の受付で「好きだ!!!」と叫んだら1000円になる割引をした。













最後の1週間は毎日梅田でチラシを配り、一緒にチラシを配ってくれる人も募集した。
そんなの募集しても来ないんじゃないのと思っていたら、毎日毎日いろんな人が来てくれた。
映画を観てくれて映画を気に入ってくれた人から、映画を観てない人も。
映画観てつまんなくても配ったチラシかえしてあげないよとも思いながら。
映画を3回も4回も観てくれた京都の方をはじめ、他の映画館のスタッフの方や、大学生、ニコニコキングオブコメディファン、ネットサーファーなどなど。
みんなでチラシ配るのって楽しいなあと思った。
この時期、最後の1週間は怒濤のように過ぎていったけど、毎日がほんとうに楽しかった。

427816_378324275577697_1937403448_n.jpg

581617_378679178875540_2016247015_n.jpg

61988_379485585461566_1957995240_n.jpg

543415_379853772091414_42023326_n.jpg

最終日は、ネエさんに助けてもらって手書きメッセージ付きチラシ作成。
これを読んで来てくれた人もいました。
最後のチラシ



映画上映後、1、2時間くらい懇親会も開き、盛り上がった。

515_378766638866794_956930169_n.jpg

26654_379142805495844_862045752_n.jpg

326891_379932802083511_1364965507_o.jpg

街でチラシを配っているといろんな出会いがあった。
チラシ配りで出会い、映画の後、懇親会まで来てくれ大輔桃子ゴッコをさせられキスまでしてくれたカップル、チラシをみただけだとつまんなそうだったけどなんとなく見に来たら感動して帰ってくれた人、などなど。
中でも女子高生は強烈だった。
チラシ配りも手伝ってくれ、劇場にも来てくれた。
舞台挨拶時には、もっとゆっくり喋れやとダメ出しされた。
随分と年下なのにどんなタメグチきかれても嫌な気がしないのは彼女たちの魅力なのだ。
334361_378694482207343_1153595851_o.jpg


そんな日々でした。
劇場に観に来てくれた皆、チラシ配り手伝ってくれた皆、街やネットなどで応援の言葉をかけてくれた皆、ありがとうございました。

神戸アートビレッジセンター、ありがとうございました。
284067_377670268976431_230414473_n.jpg
初日と二日目しか顔を出せなかったですが、特に初日の舞台挨拶、すごく楽しかったです。
テアトル新宿に観に来てくれた人との再会や、悩める映画少女の出会いも含めてとても有意義でした。


京都みなみ会館、ありがとうございました。
403753_379592975450827_1802448276_n-1.jpg
何度か舞台挨拶に行きました。
大阪ではフワフワ、バタバタしていた舞台挨拶が多かった自分でも、なぜか京都ではいつも落ち着いていたのが不思議です。
館長とはラーメンの趣味も合い、何度か落ち着いてお酒が飲めて楽しかったです。



そして、ありがとう、第七藝術劇場!
334452_380221218721336_587262075_o.jpg




帰り際、支配人とネエさんたちが十三の駅前まで見送りにきてくれ、何度も何度も手を振ってしまいました。
だって、みんながずっと手を振ってるんだもん。
電車が閉まって走り出しても、その道の途中で皆笑顔で手を振ってくれていた光景は一生忘れません。
ほんとうに、ほんとうに、ありがとうございました。

そのとき、おれは、駅でこんな顔をしていたそうです。
十三ore

気持ち悪い顔ですね。
でも、とても言葉にできないものを、とてつもないお土産をもらったのだとおもいます。
もちろん、もっともっとお客さん呼びたい、と悔しい思いをいっぱいしましたけど、
映画とそれを取り囲む皆に毎日力をもらいました。

しかし、映画ってほんと、いいもんだ。
ありがとうしか言葉が浮かばないなんて一体どういうことだ。

絶対、また帰ってきます。
ありがとう。
また会う日まで。






し、しまった…





次回は、
群馬のシネマテークたかさきで公開です。
11/24(土)〜30(金)連日20:30から!
お楽しみにっ!
スポンサーサイト

Comments


« »

09 2017
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール

鈴木太一(すずきたいち)
1976年6月16日生まれ。
東京都江戸川区出身。
映画「くそガキの告白」監督脚本。

鈴木太一のTwitter
映画上映依頼フォーム
映画館、映画祭での上映はもちろん、日本全国どんな会場でも野外でも相談にのります。とにかくいっぱい上映したいのです。

名前:
メール:
件名:
本文:

鈴木太一監督作品
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Archive RSS Login
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。