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おれと映画と3.11

慌ただしくて落ち着かなくて、ずっとブログで書けなかったことを、今日は書いてみよう。


映画『くそガキの告白』の撮影がはじまったのが、2011年4月12日。
その一ヶ月前、あの震災が起きた。
映画を撮っている場合ではないとおもった。
誰に頼まれたわけではない、自分のためのいわゆる「自主映画」。
計画停電など色々騒がれているなかで、無理して今すぐ撮る必要はないとおもった。
でも、いつのまにか、自分のまわりに、映画のまわりに仲間が募っていた。
仲間は絶対映画を撮るべきだといった。
今作ろうとしている映画は自分のためではなくなっているのか…
であれば、もう、動くしかないのか…

以下、当時のツイッターを引用。


シナリオを読むと余計に心配になった。ツイッターでは強がった。


日常の大切を感じた。


そして、


いつか被災地にこの映画を届けたい。その思いが支えだった。その思いがなければあの震災直後の時期に映画を撮ることは絶対できなかった。
それでも悩みは続いた。


悩んでいるとプロデューサーから怒られた。
だから悩むのはやめることにした。



そんなこんなで映画の怒濤の準備の日々がはじまった。
悩んでないふりをし続けながら。
でも次第に悩んでないふりをしてる暇がないほど頭がいっぱいいっぱいになった。
気がついたらいろんなことを忘れていて、気がついたら映画の撮影がはじまっていた。
それからは映画を撮ることで精一杯だった。
(正確には監督として現場にいることで精一杯だった、かな)
そんな精一杯は全部自分のため。
結局は、自分のため。
撮影が終わっても、編集のことなどで頭がいっぱい。
ボランティア活動で被災地に向かった知人が多くいた。
自分はずっと家にいた。
ずっと。
人のために何もできなかった。

やがて映画が完成した。
劇場も決まった。
賞ももらった。
賞の景品は、(映像を流せる)プロジェクターとスクリーンだった。
プロデューサーは、これで被災地で映画の上映ができるぞと喜んだ。
自分はただただグランプリをとれなかったことが悔しかった。
自分のことしか考えていない。
そんな自分が本当に気持ち悪かった。

ここまでの過程で、この映画が、キャスト、スタッフ、そして、観客、それぞれの人のための映画になっていることに気がついた。
そんなみんなのこの映画への思いに救われた。
誰もこの映画を思ってくれなかったら、気持ち悪い自分ばかり見えてきっと頭がおかしくなっていただろう。

そんななか、今年の4月。
父親が死んだ。
正確には去年の年末。
自分が父親の死を知ったのが4月だった。
身内の死というのがはじめてだった。
人の死、というものに、はじめて触れて、はじめて深く考えたかもしれない。
死って奴は一見よくわからなくて、いくらでも軽くおもえるもので、でも、考えれば考えるほどとてもとても重いものだった。
父親にもう二度と会えないとおもうと、すごく悲しくて、すごく悔しかった。
被災地の映像を見る目が少し変わった。

5月20日。
被災地である岩手県大船渡で映画『くそガキの告白』が上映された。
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主題歌担当の太陽族にライブと一緒に映画を上映しませんかと誘っていただいたのだ。
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太陽族はずっと被災地を支援する活動を行っており、今回の大船渡へはライブとともに「絵本の宅急便」プロジェクトとして全国から集められた絵本も届けにきたのだ。
太陽族は歌だけでなく、このような活動一つ一つに嘘のない思いがあふれていて気持ちいい、頭がさがる。
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自分のためからはじまった映画だったけど、いつか被災地に届けたいと思っていた映画を大船渡で上映できて本当に嬉しかった。
またおれは救われた。
上映をしてくれた太陽族に。
大船渡の人たちに。
長時間の運転とか上映準備とか色々助けてくれたくそガキのスタッフに。
プライベートでかけつけてくれた今野浩喜さんと田代さやかさんに。
ありがとう。
くそガキ大船渡集合_convert_20120620115938


自分のため…って何だろう?
もうよくわからない。
自分のため、わるいことじゃないかもしれない。
その「自分」が変われば、自分のためは、みんなのためだ。

この活動は大船渡で終わりではなく、これが第一歩。
これからもいっぱいいっぱい各地に映画を届けてまわりたい。

またこんな笑顔に出会いたい。
DSC_0608_convert_20120620120443.jpg


自分のために。
みんなのために。


映画『くそガキの告白』、6月30日テアトル新宿公開まであと10日。
みんなの思いがここからいっぱいの人たちに届きますように。
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プロフィール

鈴木太一(すずきたいち)
1976年6月16日生まれ。
東京都江戸川区出身。
映画「くそガキの告白」監督脚本。

鈴木太一のTwitter
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